生命論パラダイムの時代

高校三年生の頃出会い、一行読み進めるごとに世界が変わって見えるような経験を私にさせた書籍。

日本総合研究所編の、『生命論パラダイムの時代』です。

主な著者は、田坂広志氏、非平衡熱力学ことに散逸構造理論で有名なIliya Prigogine氏、浅田彰氏、立花隆氏、西垣通氏、西山賢一氏、そして僕の大好きな科学者の一人である松井孝典氏。三部構成で、一部は田坂氏による生命論パラダイムに関する文章があって、個人的にこの文章が私を生命論パラダイムの時代へと引き込んだ。

第二部はPrigogine博士による散逸構造理論から生命論パラダイムなどの一通りの説明があるんだけれど、これも非常に面白いんだけど、所々一生理解できそうにない数式がある。

第三部は先述の蒼々たる著者の討論や講義が収録されていて、これも面白い。でも個人的には第一部を読んだときの衝撃といったらなかった。2010年2月15日の大掃除で、同輩と研究室の書籍の片付けをしていたとき、第一研究室の書籍の山にこの書籍が埋もれていて、当時「生物」だとか「生命」という単語にすごく敏感だった私はその書籍を拝借して、一人掃除をサボって読んでいた遠い記憶が蘇る。

1. 機械的世界観から生命的世界観へ

2. 静的な構造から動的なプロセスへ

3. 設計・統御から自己組織化へ

4. 連続的な進歩から不連続の進化へ

5. 要素還元主義から全包括主義へ

6. フォーカスの視点からエコロジカルな視点へ

7. 他者としての世界から自己を含む世界へ

8. 制約条件としての世界から世界との相互進化へ

9. 性能・効率による評価から意味・価値による評価へ

10.言語による知の伝達から非言語による知の伝達へ

以上が、生命論パラダイムの本質。最近おもうのは、要するに相互作用・相互進化なんじゃないか、ということ。関係性の認識。個体を個体のまま認識するのではなく、個体と個体を結ぶ関係性、その関係性の糸による相互作用→変化(相互進化)を考察する視野が必要なんじゃないか、そしてこれが生命論パラダイムへのパラダイムシフトにおいて重要な最たる課題じゃないかとおもうのです。写真右の書籍に染み込んだコーヒーの染み、震えながら書いた言葉の数々は、この書籍を僕にとってかけがえのない宝物に仕立て上げています。これぞ身体の痕跡。

2010-11-24 | Posted in No Comments » 

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