鶴見ほっこり村 > 理念についてのメモ

 3月に、鶴見ほっこり村の活動をまとめる機会があった。その際まとめたメモを掲載する。PDF書類のダウンロードも可。本文とPDFは同じ文章。


鶴見ほっこり村の概要

 鶴見ほっこり村は、異文化・異世代交流型の地域共同体である。

 2011年春から毎月開催されている演劇ワークショップには、9歳の小学生から中高大生、20代~50代の会社員、フリーター、定年後の高齢者まで、毎回20名ほど参加する。


いかに地域をつくるか

 私が鶴見ほっこり村を設立したきっかけは、出身地である千葉・銚子の医療崩壊・地域財政の悪化により、地域再生・まちづくりに関心を抱いたことに遡る。

 どうすれば地域を変えることができるのか?なにを変えれば地域は変わるか?

 当時高校2年生だった私は、「地域に住む人々が、地域のなかで、健康で文化的な生活を送る」ことが、まちづくりにおける最も基本的な条件であると仮説立てた。 

 世界規模での急激な高齢化率の上昇にともない、超高齢社会のまちづくりにかんする議論が、極めて意義深いものとなって顕現してくるだろう。


■現代における「豊かさ」の再考

 今後数十年のうちに、人類の活動は成長の限界に達し、下り坂の時代にさしかかる。現代の日本社会は、人口構造がピラミッド型の時代をファンダメンタルズにして構築されているため、超高齢社会における新しいフレームワークの創成が急務である。

 21世紀の社会をかんがえるにあたっては、「超高齢社会におけるQOL(Quality Of Life=生活の質)とはなにか?」「21世紀における豊かさとはなにか?」を問いなおし、超高齢社会の構造改革に当てはめていくことが肝要だろう。

 その問いに対し、私たちは以下のように回答する。21世紀における「豊かさ」とは、「ほっこり」である、と。ほんとうの豊かさとは、物質的な尺度ではなく、主観的な「幸福」ではなかったか。

 経済成長を中心的な関心とし、消費が美徳、持続可能な成長を国民全員が目指す時代から、それぞれの「ほっこり」を追求する時代へのパラダイムシフトを推進したい。


■自律的な共同体をつくる

 超高齢社会では「共同体自治」が重要になる。共同体自治の実現には「自律的な共同体」が鍵。

 明治以降の閉鎖的な地縁共同体 (ex.町内会, 消防団) は、全体主義的で、没個性的だった。しかし70年代から盛んになったオープンな機能団体 (ex.スポーツクラブ, 福祉団体) も、行き過ぎた個人主義であった。

 鶴見ほっこり村は、両者の良い点を採用している。21世紀の共同体は、閉鎖系でも開放系でもない、自律的 (Autonomy) な共同体であるべきである。

 自律的な共同体とは、「共同体に束縛されるわけでもないが、共同体への所属意識・アイデンティティが確保されている集団」であると定義することができる。


■「地域自治」「共同体自治」の時代へ

 持続可能な豊かさの構想、地域におけるQOL向上を実現するためには、「地方自治」および「共同体自治」の思想が重要である。

 自治の思想とは、「自分の地域は自分で守る」「所属する共同体の価値を自分の手で創りだす」といった、自ら主体的に地域や共同体にコミットする「自己産生」的な姿勢といえる。その自治の思想が拡がれば、地域は自ずと活性化し、共同体は自律的・自己産生的になることだろう。

 地域のなかで、ほっこり村のような「自律的な共同体」をいかに再構築していくかが課題である。


■グローバル社会と共生社会

 グローバル社会の波が各地域にも押し寄せるなか、異なる文化や背景を持つ人々を排除することなく、地域のなかで共生・共助していかねばならなくなってきている。

 21世紀は、価値や文化の異なる「非自己」を、どうにかして受け容れる思想を持つ必要がある。

 そのためには「共同体の重層化」が有効だとおもわれる。必要なのは異文化コミュニケーションを重ねることだ。地域のなかに自律的な共同体を多く配置し、介入を促すことにより、子どもから高齢者、外国人や障がい者までが共に生きる、「ほっこり豊かな地域社会」が実現できるのではなかろうか。


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2012-04-29 | Posted in 人文, 社会No Comments » 

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